伊豆半島の温泉マップ
伊豆半島は「東伊豆」「南伊豆」「西伊豆」「中伊豆」の主に4つのエリアに分けられ、各エリアに温泉地があります。
この記事では、各エリアを代表する12カ所の温泉地をご紹介。旅先の参考になれば幸いです!
なぜ伊豆半島に温泉が沢山あるのか?
伊豆半島は、もともと硫黄島(小笠原諸島)の付近にあった海底火山がフィリピン海プレートともに北上し、本州にぶつかったことで陸地化したと考えられています。
数百年前の火山活動の余熱が現在も続いており、それが温泉の熱源となっているようです。
また静岡県にはおよそ2,500の源泉があるとされていますが、その内の約2,300は伊豆半島にあるんです!
半島にこれだけ温泉地が集まっているのは、国内でも伊豆だけではないでしょうか?
東伊豆エリア
伊豆半島の東側を占めるエリア。海岸を沿うように伊豆急行線が走り、電車でのアクセスが可能。
ユニークな動物園や個性的なミュージアムなど、家族連れで楽しめる場所も豊富。海だけでなく山、滝、高原といった自然の景勝地も多い。
① 熱海温泉 / 熱海市

開湯1250年以上の歴史をもつ温泉地で、徳川家康が愛したことでも知られている。
一年を通して海上花火大会が行われるほか、サンビーチでは毎夜ライトアップを開催。
温泉とレトロさを融合した「熱海プリン」が名物なので、ぜひ食べておきたい。
SNSで話題となった♯空飛ぶブランコがある「アカオハーブ&ローズガーデン」は、若者を中心に大人気。
ほかにもMOA美術館、熱海城、起雲閣など、駅から徒歩もしくはバスで観光できる。バス1日の乗り放題のフリー切符もあり、施設の割引特典などが付く。
② 伊東温泉 / 伊東市

全国屈指の湯量を誇り、源泉かけ流しを楽しめる温泉地。江戸幕府3代将軍・徳川家光公に献上された湯でも知られる。
市内には景勝地や観光スポットが点在し、最寄りのJR「伊東駅」からバスでアクセスも可能。
1日バス乗り降り自由の「伊東観光フリーパス」があり、施設の割引特典も受けられる。詳細は以下の東海バスHPでご確認ください。
駅周辺には旅館、大型リゾートホテル、ペンションなど、宿泊施設も充実している。
犬連れで入場できる施設も多いため、ペットと一緒に宿泊できる施設も豊富。
道の駅「伊東マリンタウン」、360度絶景パノラマ景色が見どころの「大室山」や「小室山」、断崖絶壁の吊り橋で有名な「城ヶ崎海岸」などがある。
例年8月に3日間にわたって開催される「按針祭(あんじんさい)」が有名で、灯篭流しやパレード、大規模な花火大会など催される。
③ 熱川温泉 / 東伊豆町
海と山に挟まれた温泉地で、江戸城を築城した太田道灌(おおた どうかん)が発見したといわれている。
噴湯や櫓から立ち昇る湯煙が温泉情緒を引き立て、駅から海岸まで趣ある旅館が並ぶ。
温泉熱を利用した「熱川バナナワニ園」、金運がアップするお湯掛け弁財天、町内唯一の砂浜の海水浴場である熱川YOU湯ビーチがあり、すべて最寄りの「伊豆熱川駅」から徒歩10分圏内。
車がなくとも観光を満喫できます。
海岸沿いの遊歩道に光が灯る「熱川キャンドルナイト」が、不定期で行われる。
④ 稲取温泉 / 東伊豆町
半島から突き出た岬にある温泉地。オーシャンビューの客室や露天風呂が自慢のホテル・旅館が軒を連ねている。
高級魚で知られる「稲取キンメ」が名物で、稲取漁港周辺には専門の料理店があるほど。
また雛のつるし飾り発祥の地でもあり、例年1~3月にかけて「雛のつるし飾りまつり」、4月~6月には「つるし端午の福まつり」が開催される。
最寄りの「伊豆稲取駅」からタクシーで15分ほどで行ける「稲取細野高原」は、相模湾や天城連山をのぞめる絶景スポット。
秋のすすき野原が有名で、例年10月には「秋のすすきイベント」を開催。2021年度は10月8日(金)~11月5日(金)まで。
⑤ 河津温泉郷 / 河津町
河津温泉郷とは、河津温泉、湯ヶ野温泉、今井浜温泉、大滝温泉、七滝温泉、谷津温泉、峰温泉、以上7つの温泉地の総称。
湯ヶ野温泉は、川端康成の小説『伊豆の踊子』の舞台で知られる。ほかにも、正面に海をのぞむ露天風呂がある今井浜温泉、湯につかりながら滝見をたのしめる大滝温泉など、それぞれ特徴をもった温泉地が魅力。
観光スポットとしては、7つの滝をめぐる「河津七滝」、フランス式バラ園「河津バカテル公園」、ユニークな展示で人気の「体感型動物園iZoo」や姉妹館の「日本最大の体感型カエル館 KawaZoo」、「峰温泉大噴湯公園」などがある。
また河津町といえば、「河津桜」が有名。見頃である例年2~3月には河津さくら祭が開催され、夜はライトアップも行われる。
最寄りは伊豆急行線の「伊豆今井浜駅」もしくは「河津駅」。山側にある湯ヶ島温泉や大滝温泉などへは、駅からバスが運行している。
南伊豆エリア
伊豆急行線の終点である下田市や、秘境で知られる南伊豆町がある。水質の最高ランクAAを獲得した、透明度の高い美しい海が魅力で、渡し舟でしか行けないビーチもある。
また下田市では、幕末のペリー来航に関連した史跡がみられる。
⑥ 下田温泉 / 下田市
幕末にペリーが来航し、200年以上鎖国していた日本で最初に開港された歴史をもつ温泉地。
また吉田松陰がペリー艦隊への密航を企てた場所でもあり、幕末に関わる史跡や歴史建造物が多く残されている。
最寄りは伊豆急行線「伊豆急下田駅」。最寄り駅から徒歩やバスで観光できるため、車いらずで旅行ができる。
市街地や港を一望できる「下田公園」は、あじさいの名所。例年6月には「あじさい祭」が開催される。
ほかにも、ペリーと部下約300人が行進したという「ペリーロード」、開国にまつわる交渉の場となった「了仙寺」、イルカと遊べる「下田海中水族館」、縁結びで名高い「白浜神社」など、観光スポットは豊富。
例年5月には、米海軍第7艦隊が協力する国際色豊かな「黒船祭」を開催。記念式典、音楽隊によるパレード、下田条約調印をコミカルに再現した劇、海上花火大会など、祭りは3日間にわたり行われる。
⑦ 下賀茂(しもかも)温泉 / 南伊豆町
伊豆半島の南端に位置し、青野川沿いの山間に広がる小さな温泉地。豊富な湯量と約100度の高い温泉が特徴で、その熱を利用したメロンが町の名物。
温泉内の至るところにある源泉から湯煙が立ちこめ、昔から変わらない情緒ある景観も見どころ。
秘境と呼びたくなる景勝地が多く、伊豆半島南端にある「石廊崎」、秘境ヒリゾ浜をのぞむ「あいあい岬」、野生サルたちの楽園「波勝崎モンキーベイ」など、いずれもアクセスは車のみ。
路線バスで行ける場所もあるが、運行本数が限られているのと目的地まで時間がかかる。
また青野川沿い咲く河津桜が有名で、見頃の例年2月~3月にかけて「みなみの桜と菜の花まつり」を開催。夜はライトアップが行われる。
西伊豆エリア
伊豆半島の西側沿岸を占めるエリア。堂ヶ島がある西伊豆町、松崎町など。海岸から駿河湾越しに富士山をのぞめ、夕陽の名所としても知られている。
また沼津市の戸田では「高足ガニ(タカアシガニ)」が名物で、天丼や釜めし、刺身やグラタンなど、多彩なメニューを楽しめる。
⑧ 堂ヶ島温泉 / 西伊豆町
”伊豆の松島”と称される、堂ヶ島にある温泉地。海岸線沿いにホテルや旅館が立ち並び、客室からは海に沈む夕陽をのぞめる。
日帰り入浴施設も複数あり、なかでも沢田公園にある岩場の露天風呂は、絶景の露天風呂で有名。
個性豊かな島々が浮かび、なかでも珍しいトンボロ現象がみられる「三四郎島」は必見。ほかにも”青の洞くつ”をめぐる遊覧船「堂ヶ島マリン」、「加山雄三ミュージアム」などがある。
堂ヶ島へは伊豆箱根鉄道「修善寺駅」もしくは伊豆急行線「伊豆急下田駅」より、バスでのアクセスも可能。
ただし両駅とも乗車時間が60分を超えるほか、運行本数が限られているため、事前計画とタイムスケジュールが必要。
⑨ 土肥温泉 / 伊豆市
およそ400年前の江戸時代、金山開発と共に発展した西伊豆最大かつ最古の温泉地。海と山に囲まれた風光明媚な景観は、若山牧水など多くの文人を魅了した。
海岸沿いにホテルや旅館、民宿やペンションが軒をつらね、目の前にビーチが広がる。
全室オーシャンビュー、海をのぞむ露天風呂など、宿泊施設のロケーションは抜群。さらに堂ヶ島温泉と同じく、美しい夕陽がみられる。
断崖絶壁の名所が多く、「恋人岬」は西伊豆のメジャースポット。ほかにも佐渡金山に次ぐ金の生産量を誇った「土肥金山」、ギネス認定された世界一の花時計がある「松原公園」などが有名。
電車は通っておらず、車もしくはバスのみでのアクセスとなる。
中伊豆エリア
伊豆半島中央部を占めるエリア。伊豆の小京都と称される伊豆市、伊豆の国市、沼津市などがある。
修善寺温泉までは伊豆箱根鉄道が通り、電車やバスでのアクセスが可能。文学作品とゆかりある史跡や、明治の近代化を支えた世界遺産もある。
⑩ 修善寺温泉 / 伊豆市
伊豆半島で最も歴史が古く、平安時代に弘法大師(空海)によって開湯されたと言われる温泉。温泉街を流れる桂川沿いには、竹林の小径や趣のある旅館が建ち並び、”伊豆の小京都”とも称されている。
夏目漱石をはじめ多くの文人墨客が訪れた温泉地であり、彼らが宿泊した旅館は現在も営業している。

鎌倉時代の源氏一族にまつわる史跡がみられ、なかでも伊豆最古の木造建築「指月殿」は北条政子が、息子・頼家の冥福を祈り建立したものと伝えられている。
京都・嵐山を思わせる「竹林の小径」、弘法大師が温泉をわき出させたという「独鈷の湯」、温泉地のシンボル「修禅寺」など、温泉地の中も見どころが多く1日を過ごせる。
少し足を延ばせば、園内をミニSLが走るテーマパーク「修善寺虹の郷」がある。
⑪ 湯ヶ島温泉 / 伊豆市
天城山の山間、狩野川の渓流沿いには7つの温泉地(嵯峨沢・月ヶ瀬・船原・吉奈・青羽・持越・湯ヶ島)が点在する。
湯ヶ島温泉はその内の1つで、川端康成の『伊豆の踊子』、井上靖の自伝的昭悦『しろばんば』の舞台であり、ほかにも多くの文学作品で登場する。
喧騒とは程遠いヒッソリとした静かな温泉地で、湯ざわりの良さと豊富な湯量が特長。
狩野川と一体化したような野趣あふれる露天風呂、川のせせらぎに耳を傾けながら湯に浸かれる風呂など、自然と温泉に癒される。
温泉地には遊歩道が整備され、出会い橋やわらべ橋、国登録有形文化財の旅館など、風情のある景観が広がっている。
周辺には、女郎蜘蛛伝説がつたわる「浄蓮の滝」、『伊豆の踊子』で何度も登場する「旧天城トンネル(正式名称:天城山隧道)」、富士山のビュースポット「達磨山(だるまやま)」などがある。
最寄り駅は伊豆箱根鉄道「修善寺駅」。そこからバスに乗り、終点「修善寺温泉駅」下車。各観光スポットへは、バスでアクセスできる。
⑫ 伊豆長岡温泉 / 伊豆の国市
沼津市にほど近く、西伊豆の玄関口ともいえる伊豆長岡温泉。
源氏山を挟さみ、西の古奈温泉と東の長岡温泉と分けられていたが、現在は2つの温泉地をあわせて伊豆長岡温泉と称する。
現在は30本以上の源泉があり、伊豆半島の中でも有数の湯量を誇る温泉地。アルカリ性単純泉で、美肌や筋肉疲労の効果が期待できるため”美人の湯”でも知られている。

長岡温泉側には、無料の足湯がある「湯らっくす公園」、富士山と駿河湾をのぞめる「伊豆の国パノラマパーク」、また同市内には世界遺産の「韮山反射炉」がある。
最寄りは伊豆箱根鉄道駿豆線の「伊豆長岡駅」。温泉地へは駅からバスで5分ほど。伊豆の国パノラマパークへは、駅からバスで15分ほど。
伊豆は温泉パラダイス!
この記事で紹介しているのは、規模が大きくメジャーな温泉地のみ。伊豆半島にはまだまだ、個性的で歴史ある温泉地がたくさんあります。
伊豆半島温泉めぐりの旅、なんていうのも面白そうですね!