目次
修善寺温泉ってどんなところ?
「修善寺」とは、伊豆半島の観光地で温泉でもよく知られています。伊豆箱根鉄道の終点に位置し、アクセスが便利なため、首都圏からの観光客に人気です。
日本百名湯のひとつ
「修善寺温泉(しゅぜんじおんせん)」は、静岡県伊豆半島中部の山間に位置する温泉地です。
伊豆半島最古の歴史を誇り、平安時代に弘法大師(空海)によって開湯されたと伝えられています。
『日本百名湯(※)』に選ばれている名湯で、芥川龍之介、夏目漱石、川端康成など、日本文学史に名を残す文豪たちが愛したことでも知られています。
伊豆の“小京都”とよばれる
修善寺温泉は“伊豆の小京都”とも呼ばれ、ノスタルジックな雰囲気が漂う、趣のある景観も魅力のひとつ。
京都嵐山を彷彿させる「竹林の小径」、源氏ゆかりの古刹「修禅寺」、縁結びのご利益がある朱色の橋などがあります。
今回はそんな修善寺温泉を満喫する、1日観光モデルコースをご紹介します。
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【11:00】夫婦円満・子宝に恵まれる「日枝神社」
旅のはじまりは、バス停「修善寺温泉駅」から徒歩1分の場所にある「日枝神社(ひえじんじゃ)」です。
細い参道を挟むように巨木が立ち、外界から閉ざされたような神秘的な雰囲気が漂っています。
日枝神社は、弘法大師により創建されたと伝えられています。ご祭神の大山咋神(おおやまくいのかみ)で、子孫繁栄や家内安全のご利益があるとされています。
また歴史的な面では、源範頼(みなもと のりより)が幽閉されていた場所。
源範頼は、鎌倉幕府を開いた源頼朝(みなもとのよりとも)の異母兄弟に当たりますが、誤解により謀反の疑いをかけられ、最終的には自害したといわれています。
また境内にそびえる二本の杉は子宝の杉(夫婦杉)と呼ばれ、参拝すると子宝に恵まれるそうです。夫婦杉の由来は、2本の根元をみてくださいね。
参道脇にあるこちらの掛所。掛けられているのは絵馬…ではなく、「玉依の花」と「丹塗り矢」です。
日枝神社に伝わる伝説に由来した願掛けであり、縁結び・子宝祈願の成就を願います。
玉依の花と丹塗り矢は、日枝神社のそばにある「ワークショップ&カフェ遊房うちっち」と「レンタル着物街ナビゆるり」にて販売。
社務所にて、御朱印をいただけます(300円)。
電話:0558-72-2501(伊豆市観光協会修善寺支部)
アクセス:伊豆箱根鉄道「修善寺」駅よりバス「修善寺温泉行き」乗車−終点下車、徒歩3分
【11:40】平安時代から続く古刹「修禅寺」
続いては、日枝神社の近くに佇む「修禅寺(しゅぜんじ)」です。
修善寺エリアを代表する曹洞宗の古刹で、日枝神社と同じく平安初期に空海(弘法大師)によって創建されたと伝えられています。
鎌倉時代に北条氏の庇護を受けて興隆する一方で、鎌倉幕府2代将軍・源頼家(※)が幽閉・殺害された場所としても知られています。
ちなみに修禅寺の手水舎、温泉なんですよ。
社務所にて、御朱印をいただけます(300円)。
※源頼家…鎌倉幕府を開いた源頼朝と、北条政子の間に生まれた嫡男。
鎌倉幕府第2代将軍となるが、次期跡取りの争いに巻き込まれ、修禅寺に幽閉、北条氏により暗殺された。
電話:0558-72-0053(8:30〜16:00)
アクセス:伊豆箱根鉄道「修善寺」駅よりバス「修善寺温泉行き」乗車−終点下車、徒歩5分
【12:20】伊豆七不思議のひとつ「独鈷の湯」
温泉街の中心を流れる桂川の河畔に湧いている「独鈷(とっこ)の湯」。修禅寺のすぐ近くにあります。
※現在は見学のみ可能です。足湯などの入浴は不可。
この独鈷の湯ですが、”伊豆の七不思議”のひとつとされ、弘法大師(空海)にまつわる伝説が残されています。
桂川と独鈷の湯をのぞむように、足湯が2ヵ所設置されています。無料で利用できますよ!
ランチはお蕎麦を!「禅風亭なゝ番」
海鮮に目が行きがちの伊豆ですが、じつは「蕎麦」も有名なんですよ。
火山の集合体でもある伊豆半島東部は、良質な水に恵まれた土地。さらに天城山の湧水も加え、水の質・量ともに安定しています。
そのため蕎麦だけでなく、きれいな水辺にしか育たない天然わさびも美味しいと評判です。
修善寺にも蕎麦の名店がいくつもありますが、今回は「禅風亭なゝ番」をピックアップ。
古民家風の店内でいただきますが、注目はひょうたん型の器につゆなどが入れられたユニークな提供方法の「禅寺そば」。自分で生わさびを擦っていただきますが、使いきれなかったものはお土産にすることも可能ですよ。
電話:0558-72-0007
営業時間:10:00〜16:00
定休日:木曜
アクセス:伊豆箱根鉄道「修善寺」駅よりバス「修善寺温泉行き」乗車−終点下車、徒歩1分
【13:40】伊豆の嵐山「竹林の小径」
伊豆の小京都とも呼ばれる由縁は、この「竹林の小径(ちくりんのこみち)」といっても過言ではありません。
京都の嵐山を彷彿させる、青く整然とした竹林が続いています。
石畳の散策路を挟むようにして並んでいる竹は、空を覆っていまうほど高く伸びています。
小径の中間には丸いベンチが設置され、仰向けになりながら竹を見上げる人もチラホラ。
日没後にはライトアップされ、昼間とはまた違った幻想的な風景を楽しめますよ。
竹林の小径へ移動する際に、桂川にかかる朱色の橋を渡ることになります。
その朱色の橋は計5つあり、願いをかけながら渡ると恋が実るという言い伝えがあるんです。
●渡月橋(とげつばし)
●虎渓橋(こけいばし)
●桂橋(かつらばし)
●楓橋(かえでばし)
●滝下橋(たきしたばし)
橋同士は離れていないため、ぜひ五橋制覇を目指してみてください! 渡り終えたら、修禅寺へのお参りを忘れずに。
【14:10】半島最古の木造建築物「指月殿」
温泉街の中心から少し外れ、入り組んだ路地の先にひっそりと佇む「指月殿(しげつでん)」。
伊豆半島で最古の木造建築物であり、鎌倉幕府を開いた源頼朝の正妻、北条政子の命によって建立されました。
修禅寺で暗殺された息子・頼家の冥福を祈り、修禅寺に寄進されたといわれています。
北条政子といえば、彼女の夫であり鎌倉幕府初代将軍・源頼朝は、当時では珍しい恋愛結婚の末に結ばれたビッグカップル。
隣の熱海市には、ふたりが逢瀬で訪ねたと言われている「伊豆山神社」が鎮座しています。

堂内には釈迦如来座像(しゃかにょらいぞう)が安置されており、右手にハスの花を持つ“禅宋式”という珍しい様式の坐像です。
電話:0558-72-2501(伊豆市観光協会修善寺支部)
アクセス:伊豆箱根鉄道「修善寺」駅よりバス「修善寺温泉行き」乗車−終点下車、徒歩6分
指月殿からの寄り道「源頼家の墓」「十三士の墓」
指月殿のすぐ近くにある、2ヵ所のスポットを紹介。
一つは「源頼家の墓」です。頼家は父・源頼朝を後を継ぎ、鎌倉幕府二代目将軍となりましたが、政争に敗れ修善寺へ流されました。
そして1204年(元久元年)に、祖父・北条時政の手で暗殺され、享年23歳でこの世を去ります。
こちらは源頼家の墓の前にある「お伺い石」。蓮の花の形をしており、以心伝心を占う石なんだそうです。
想いを込めて持ち上げてみましょう。
軽く感じたら思いが伝わる、と言われています。もし重く感じてしまったら、指月殿に祈願するといいそうです。
ちなみに筆者は重く感じてしまい、持ち上げるのも一苦労でした。しかし中には軽々と持ち上げる人もおり、なんとも不思議な石でした。
こちらは「源頼家の墓」の近くに佇む「源頼家 家臣 十三士の墓(じゅうさんし)」です。
鎌倉時代の史書『吾妻鏡(あづまかがみ)』によると、頼家が暗殺された6日後に家臣らが謀反を企てたが、挙兵以前に発覚してしまい殺された、と記されています。
【15:00】甘味処で休憩しよう!「一石庵」
小腹が空いたら、修禅寺の門前「虎渓橋(こけいばし)」のたもとにある甘味処「一石庵(いっせきあん)」へ。
地場産品の黒米からつくった黒米餅やおしるこ、クリームあんみつが人気。
秋~冬は、おしるこもあります。甘すぎず優しい味に、心もお腹も満たされます。
電話:0558-72-2063
営業時間:10:00~16:00
定休日:火曜
アクセス:伊豆箱根鉄道「修善寺」駅よりバス「修善寺温泉行き」乗車−終点下車、徒歩5分
修善寺へのアクセス
電車の場合
JR東海道線・新幹線「三島」駅より伊豆箱根鉄道乗車−「修善寺」駅下車−東海バス「修善寺温泉行き」乗車−終点「修善寺温泉駅」下車
※伊豆箱根鉄道、および東海バスは、交通系ICカードが使用できません。
新宿発直行バス(温泉ライナー修善寺)
新宿センタービル前⇔修善寺温泉(大型バス専用駐車場)を結ぶ直行バス。
1日1便。ネット予約および電話予約OK。期間限定(2021年11月6日~2022年2月28日まで期間限定)で運行。
【料金】
片道(新宿→修善寺)1人1,000円、往復2,000
※幼児、子供同料金も同様
バスタ新宿⇔長岡温泉・修善寺温泉を結ぶ高速バス。「修善寺温泉」で下車。
1日2往復。ネット予約および電話予約OK。
【通常料金(片道)】
大人2,620円、小人:1,310円
【予約割引(片道)】
大人2,570円、小人1,290円
【予約割引(往復)】
大人4,720円、小人2,360円
※新型コロナウイルス感染拡大の影響により、高速乗合バス「伊豆長岡・修善寺温泉ライナー」は当面の間、運休しております。
クルマの場合
・東名道「沼津」IC、新東名「長泉沼津」IC−伊豆縦貫道−伊豆中央道−修善寺道路(約30分)
・東名道「沼津」IC、新東名「長泉沼津」IC−国道1号−国道136号(約50分)
駐車場について
修善寺の街中には観光客向けの大型無料駐車場はありません。クルマで訪れる際には、有料駐車場を利用しましょう。
修善寺で週末をのんびり過ごそう
修善寺のモデルコースをご紹介しました。のんびり歩いても1日ですべて回りきれるので、日常から少し離れたのどかな温泉街を散策してみてください。
「伊豆縦貫道」を使ってドライブもおススメ!
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