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韮山反射炉|貴重な世界遺産の歴史や周辺施設・アクセス情報を紹介!

伊豆の国市にある世界遺産「韮山反射炉(にらやまはんしゃろ)」。幕末のペリー来航をきっかけに、外国の脅威を感じた江戸幕府が家臣に命じて造らせた反射炉です。そんな韮山反射炉の歴史や見学方法、クラフトビールの「反射炉ビヤ」、伊豆長岡温泉など周辺情報を紹介します。

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アイキャッチ画像出典:Masaharu Fujikawa

韮山反射炉とは?

韮山反射炉

出典:PIXTA

韮山反射炉(にらやまはんしゃろ)は、伊豆の国市にある日本で唯一現存する実用反射炉です。反射炉とは不純物を多く含む粗製の鉄を溶かし、有力な鉄を生産するための溶解炉のこと。

試験炉としては、他にも萩反射炉がありますが、実際に稼働していた反射炉はここだけという歴史的価値の高い建造物です。

この反射炉で溶かした鉄は大砲などに加工されたようで、発掘調査の際には砲弾の鋳型などが発見されました。

韮山反射炉の歴史|なぜ反射炉が造られたのか?

韮山反射炉 ライトアップ

出典:PIXTA(桜の時期にはライトアップも実施される。例年3月下旬~4月上旬)

反射炉の建造が開始されたのは、幕末期にあたる1854年(安政元年)。その前年にペリーが来航しており、鎖国体制を貫いていた日本は外国の脅威にさらされていました。

そんな外国の脅威から身を守るため、海沿いの地域に韮山反射炉で製造された大砲が設置されていました。

ちなみに現在の東京湾にある「お台場」は、このとき大砲が設置された台場(砲台)に幕府への敬意を払って「御」をつけ、「御台場」と呼んだことが由来なのだそうです。

 

韮山反射炉は、元々は伊豆の国市ではなく、伊豆半島の南端に位置する下田市に建造する予定でした。すでに基礎工事が始められていた頃、下田に入港していたペリー艦隊の水兵が反射炉の敷地内に侵入する事件が勃発。急遽、現在の場所に移転することになったのです。

そんなハプニングもありながら、3年半の月日をかけて1857年(安政4年)に韮山反射炉は完成しました。御台場(品川台場ともいう)の建設は続いていましたが、結局1度も使用されることなく日本は開国。

その後も1864年(元治元)に幕府直営の反射炉としての役割を終えるまで、韮山反射炉でさまざま大砲が鋳造されました。

韮山反射炉は誰が造った?

世界文化遺産への登録決定となった韮山反射炉受付前に立つ江川坦庵公銅像

出典:PIXTA

幕府は、当時の江戸湾海防の実務責任者であった江川英龍(えがわ ひでたつ※)に反射炉の建造を命じました。

※江川英龍……伊豆国田方郡韮山(静岡県伊豆の国市韮山町)を本拠とした、江戸幕府の世襲代官(幕府の直轄地を支配する地方行政管)。

江川英龍は、ペリー来航以前から反射炉の研究をしていましたが、蘭書の記述のみを頼りに反射炉を建造するのは非常に困難で、1855年(安政2年)の正月に、韮山反射炉の完成を見ることなく亡くなってしまいます。

その後は、蘭学の導入に積極的だった彼の息子である英敏が後を継ぎ、反射炉の建設を進めました。当時、反射炉の建造を行っていた佐賀藩にも技師派遣の応援を求め、助力を得ながら、1857年(安政4年)の11月、着工から3年半をかけて遂に韮山反射炉は完成しました。

韮山反射炉の基本情報とアクセス

住所:静岡県伊豆の国市中字鳴滝入268
電話:055-949-3450(韮山反射炉ガイダンスセンター)
観覧時間:【3月~9月】9:00~17:00【10月~2月】9:00~16:30
定休日:毎月第3水曜日(この日が祝日にあたる場合は翌日)/年末年始(12月31日~1月1日)
料金:【一般(高校生以上)】500円【生徒・児童】50円

アクセス:
【公共交通の場合】「伊豆長岡」駅から徒歩約30分
【クルマの場合】長泉沼津ICから伊豆縦貫自動車道・国道1号を経由して約50分

URLhttps://www.city.izunokuni.shizuoka.jp/bunka_bunkazai/manabi/bunkazai/hansyaro/documents/hansyarokengaku.html

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「韮山反射炉」観光の魅力

日本でも数少ない世界遺産の1つが見られる

韮山反射炉 砲台

出典:PIXTA

実際に大砲を製造していた反射炉として、国内で唯一現存している韮山反射炉。

世界的にみても大変貴重な遺産であり、明治日本の産業革命遺産の1つとして2015年(平成27年)に世界文化遺産へ登録されています。

 

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ページ数:192p

2つの世界遺産を同時に見られるビュースポット

2つの世界遺産、韮山反射炉の向こうに富士山が映っている写真

出典:PIXTA

また韮山反射炉は富士山からほど近い位置にあるため、2つの世界遺産を同時に見ることができるスポットとしても知られています。

韮山反射炉のすぐ近くに「反射炉・富士山 展望デッキ」が設置されており、同時に2つの世界遺産を見られるビュースポットになっています。

ガイドが常駐しており、日本の産業発展の歴史を学べる

韮山反射炉にはガイドが常駐しており、無料で歴史的な背景や反射炉について詳しく解説してくれます。

また施設内にガイダンスセンターもあり、迫力のある映像演出や最新の調査研究成果を反映した展示などから韮山反射炉のことをより深く学ぶことができます。

 

ガイドをお願いする場合は、事前にFAXで予約もしくは空きがあれば現地での予約も可能です。

実施日:韮山反射炉の開園日(年末年始等を除く)
受付時間:9:00~16:00(土日祝は9:00~11:30、13:00~16:00)
所要時間:約20分
料金:無料
定員:約30人
問い合わせ先:055-949-3450
問い合わせ時間:9:00~17:00(10月~2月までは16:30)

URLhttps://www.city.izunokuni.shizuoka.jp/hansyaro/sekaiisan/nirayamahansyarogaido.html

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韮山反射炉へ行った人の感想は?

韮山反射炉

出典:PIXTA

韮山反射炉へ訪れた方のはどのような印象を受けたのでしょうか? 皆さんの感想をチェックしてみましょう!

30年ぶりに来訪。世界遺産に登録されたとあって当時より綺麗に整備されていました。映像も流され子供でもわかりやすい説明になっていて親子で楽しめる場所でした。出典:じゃらん

反射炉とは聞きなれないものでしたが、大砲などの大型のものを鋳造するものであったとの事。なかなか足を運ぶ機会がありませんでしたが、その立派さに驚かされました。出典:じゃらん

無料解説員の方が複数いらして、わかりやすく説明してれます。建造の背景、地の利、当時の代官の人柄、大砲を作るまでの大変な工程など知ることができました。 出典:じゃらん

解説してくれるガイドがいると、観光地の魅力はグッと伝わりやすくなりますね。また世界遺産と聞くと難しいイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、親子で楽しめるとの声も。家族で訪れてみてはいかがでしょうか?

 

次ページでは、一緒に行きたい周辺スポットを紹介します!

韮山反射炉に行ったら立ち寄りたい周辺施設

韮山反射炉を間近に飲める「反射炉ビヤ」

反射炉ビールの画像

韮山反射炉の横には、醸造所があり「反射炉ビア」という伊豆韮山のクラフトビールを醸造しています。

無ろ過・非加熱に拘り、酵母が生きている深い味わいが特徴で、併設しているレストランで味わうことができます。

 

イングリッシュペールエールの「太郎左衛門」を中心に、ブラウンポーターやアメリカンペールエールなどラインナップも豊富!

ここで醸造されている「ニューワールドケルシュ」というビールは、2023年度の世界一のビールを決める大会「ワールド・ビア・アワード」でケルシュビール部門の最高金賞を受賞しています。

 

ちなみに「反射炉ビヤ」という名前は、反射炉の建造など西洋の新しい技術を積極的に取り入れ、日本の夜明けを予見した先人にならってつけられたのだそう。

韮山反射炉を見たあとは、美味しいビールを味わってみてはいかがでしょうか。

店名:蔵屋鳴沢 反射炉ビヤレストランほむら

住所:静岡県伊豆の国市中272-1

電話:055-949-1208

営業時間:11:00〜15:00(L.O.14:30)

定休日:なし

URLhttps://kuraya-narusawa.co.jp/brewing/

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伊豆長岡温泉

伊豆長岡温泉の小径

出典:PIXTA

韮山反射炉の近くには、伊豆長岡温泉があります。

緑の美しい源氏山を囲むように広がっているこの温泉街は、東側の「古奈温泉」、西側の「長岡温泉」という開湯期が異なる温泉が統合され、今の伊豆長岡温泉と呼ばれるようになりました。

「古奈温泉」は古くから知られる名湯で、かつて源頼朝をはじめ、鎌倉時代の将兵も入湯したといわれています。一方で、「長岡温泉」は比較的新しく、高級指向の旅館や純和風の数寄屋作りの宿などが多いのが特徴です。

「長岡温泉」の泉質は弱アルカリ性で、飲泉を出来るお宿もあり、体の内外から美肌・胃腸病に効果があるとされています

なかには日帰り入浴ができる施設もあるので、日帰りで立ち寄ってみるのもおすすめ。

もっと伊豆を堪能するのであれば、1泊して修善寺や西伊豆あたりまで足を延ばしてみるのもいいですね。

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韮山反射炉で歴史の深さを体感しよう

韮山反射炉の春の画像

出典:PIXTA

韮山反射炉は世界遺産に登録された文化遺産。建造された時代背景を知っておくと、この施設が幕府にとっていかに重要な施設だったのかがわかりますね。

みなさんも伊豆に旅行の際は、ぜひ足を運んでみてください。

 

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※掲載されている情報は最新のものとは限りません。現地にお越しの際には必ず施設の公式サイトもご確認ください。

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IZU HACK編集部

IZU HACK運営&記事編集担当。伊豆の海、B級スポット、秘境、神社・パワースポット巡りに明け暮れる。現地レポートを中心に読者の皆様にわかりやすく、ためになるような記事製作を心掛けています。

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