韮山反射炉とは?
韮山反射炉(にらやまはんしゃろ)は、伊豆の国市にある反射炉です。反射炉とは不純物を多く含む粗製の鉄を溶かし、有力な鉄を生産するための溶解炉のこと。
この反射炉で溶かした鉄は大砲などに加工されたようで、発掘調査により砲弾の鋳型などが発見されました。
なぜ反射炉が造られたのか?
反射炉の建造が開始されたのは、幕末期にあたる1854(安政元)。その前年にペリーが来航しており、鎖国体制を貫いていた日本は外国の脅威にさらされていました。
そこで幕府は、江戸湾海防の実務責任者となった江川英龍(えがわ ひでたつ、※)に反射炉の建造を命じます。
ちなみに現在の東京湾にある「お台場」は、このとき大砲が設置された台場(砲台)に幕府への敬意を払って「御」をつけ、「御台場」と呼んだことが由来なのだそうです。
はじめは伊豆の国市ではなく、伊豆半島の南端に位置する下田市に建造する予定でした。すでに基礎工事が始められていた頃、下田に入港していたペリー艦隊の水兵が反射炉の敷地内に侵入する事件が勃発。
急きょ、現在の場所に移転することになったのです。
そんなハプニングもありながら、3年半の月日をかけて1857年に韮山反射炉は完成しました。御台場(品川台場ともいう)の建設は続いていましたが、結局一度も使用されることなく日本は開国。
1864年(元治元)に幕府直営の反射炉としての役割を終えるまで、韮山反射炉でがさまざま大砲が鋳造されました。
韮山反射炉は世界文化遺産として登録
実際に大砲を製造していた反射炉として、国内で唯一現存している韮山反射炉。世界的にみても大変貴重な遺産であり、2015年の7月には世界遺産(文化遺産)への登録が決定しました。
韮山反射炉にはガイドが常駐しており、事前予約もしくは現地予約で参加できます。
受付時間:9:00~16:00(土日祝は9:00~11:30、13:00~16:00)
所要時間:約20分
料金:無料
1人のガイドが案内できる人数:約30人
その他の知っておきたい「日本の世界遺産」を学ぼう!
韮山反射炉へ行った人の感想は?
韮山反射炉へ観光地として訪れた方のはどのような印象を受けたのでしょうか?皆さんの感想をチェックしてみましょう!
30年ぶりに来訪。世界遺産に登録されたとあって当時より綺麗に整備されていました。映像も流され子供でもわかりやすい説明になっていて親子で楽しめる場所でした。出典:じゃらん
反射炉とは聞きなれないものでしたが、大砲などの大型のものを鋳造するものであったとの事。なかなか足を運ぶ機会がありませんでしたが、その立派さに驚かされました。出典:じゃらん
無料解説員の方が複数いらして、わかりやすく説明してれます。建造の背景、地の利、当時の代官の人柄、大砲を作るまでの大変な工程など知ることができました。 出典:じゃらん
解説してくれるガイドがいると、観光地の魅力はグッと伝わりやすくなりますね。また世界遺産と聞くと難しいイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、親子で楽しめるとの声も。家族で訪れてみてはいかがでしょうか?
韮山反射炉を間近に飲める「反射炉ビヤ」とは?
「反射炉ビア」は伊豆韮山のクラフトビールです。無ろ過・非加熱に拘り、酵母が生きている深い味わいが特徴。
幕末の頃、伊豆の名代官は国防のための反射炉の築造をしたり、西洋の新しい技術を積極的に取り入れていました。日本の夜明けを予見した先人にならい、「反射炉ビヤ」と命名したそうです。
イングリッシュペールエールの「太郎左衛門」を中心に、ブラウンポーターやアメリカンペールエールなどのラインナップがあります。
ブルワリーにはレストラン「ほむら」が併設されており、網焼きメニューとビールを楽しめます。
電話:055-949-1208
営業時間:11:00〜15:00(14:30LO)
定休日:無休
韮山反射炉へのアクセス
韮山反射炉へのアクセスは、車がおすすめです。無料の公設駐車場も完備しています。
公共交通機関の場合は伊豆箱根鉄道「伊豆長岡」駅より徒歩30分、もしくは周遊バスの利用になります。
観覧時間:(3月~9月)9:00~17:00、(10月~2月)9:00~16:30
定休日:第3水曜(祝日の場合は翌日休)
料金:一般500円、小中学生50円
駐車場:あり
伊豆長岡温泉に寄っていかない?
韮山反射炉の近くには、伊豆長岡温泉があります。ホテルや湯宿があり、なかには日帰り入浴もできる施設があります。
もっと伊豆を堪能するのであれば、1泊して修善寺や西伊豆あたりまで足を延ばしてみるのもいいですね。
韮山反射炉で歴史の深さを体感しよう
韮山反射炉は世界遺産に登録された、文化遺産。建造された時代背景を知っておくと、この施設が幕府にとってもいかに重要な施設だったのかがわかりますね。
みなさんも伊豆に旅行の際は、ぜひ足を運んでみてください。
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