『伊豆ジオ100』を巡る
およそ2,000万年前、伊豆半島は海底火山でした。
それがフィリピン海プレートの動きとともに北上し、約100万年前に本州と衝突。現在の姿になったと考えられています。
そうした成り立ちから、伊豆半島は地質学的にも特異な場所とされ、2018年国内で9番目となるユネスコ世界ジオパークに認定されました。
今回は、ジオサイトの1つである「十国峠」について紹介します。
十国峠ってどんなところ?
伊豆・相模・駿河・遠江・甲斐・安房・上総・下総・武蔵・信濃の十国を見渡せることから、「十国峠(じゅっこくとおげ))」と呼ばれるようになったそうです。
また地球の表面を覆う4つのプレートや、火山が長い時間をかけて作り出した地形を一望できる、貴重なジオサイトもあります。
眺めのよい山頂は何も遮るものがなく、富士山を望めるビュースポットとして人気! 元旦には県内外から多くの人が訪れる初日の出のスポットとしても知られています。
取材日は晴れてはいましたが、ちょうど富士山に雲がかかっており、その姿を見ることができませんでした。
富士山が見えるかどうかは、運次第です。天気と運のめぐりあわせがよければ、正面に美しい富士山の姿を望めるでしょう。
2022年8月に山頂がリニューアルオープン!
2022年8月には、展望テラス「PANORAMA TERRACE 1059」が新たにオープン!
富士山をはじめ山々を一望できるデッキや、寝転びながら駿河湾や初島の景色を楽しめるハンモック付のデッキ、インスタ映えするフォトスポットなどが新設された今話題のスポットです。
山頂まではケーブルカーですいすい~
レトロなデザインの「十国峠ケーブルカー」で山頂へは約3分!
十国峠レストハウス2階にある「十国登り口駅」から山頂の「十国峠駅」まで、全長316mのケーブルカーが往復しています。
車窓からは、三島市と沼津市の街並みと駿河湾が一望できます! ケーブルカーはワンちゃんも乗車OKです。
ケーブルカーの基本情報
運行時間:
8:50〜16:50(始発8:51)
料金:
(往復)大人730円、子ども370円、ペット200円
(片道)大人370円、子ども190円、ペット100円
十国峠での過ごし方
山頂駅周辺で景色を楽しむ!
ケーブルカーを下りてすぐの場所が山頂です。写真はケーブルカーの山頂駅ですが、2022年8月11日より「TENGOKU CAFE(テンゴクカフェ)」が新たにオープンし、現在は装いを変えています。
カフェの外には展望デッキが備えられ、開放感のある景色を楽しむことができますよ。
散策しながら、360℃パノラマ絶景を楽しむ
尾根伝いを歩く散策路が整備されているので、歩いてみましょう!


写真のように山頂は何も遮るものがないため、360℃大自然の絶景パノラマを楽しめます。
源実朝の記念碑
散策路の途中には鎌倉幕府第3代将軍・源実朝(みなもとのさねとも)の歌碑がありました。
「箱根路をわが越えくれば伊豆の海や沖の小島に波の寄る見ゆ」
詩歌を愛した源実朝は、三嶋大社などを巡る二所詣の途中で、伊豆の絶景にほっと一息ついて詠んだとされています。
姫の沢公園
「日本の都市公園100選」に指定されている公園です。花の名所でも知られ、ツツジやアジサイ、スイレンなど四季折々の花や植物が楽しめます。またアスレチックコースやスポーツ広場などが整備されているため、週末は家族連れで賑わいます。
日金山 東光寺
源頼朝が崇拝した伊豆山神社の元宮です。274年(応神天皇5年)松葉仙人が伊豆山の浜辺に出現した光る鏡を祀ったのが始まりと言われています。
古来より伊豆地方の死者の霊魂は日金山に集まるといい伝えられており、春・秋のお彼岸に日金山に登ると「逢いたい人の後ろ姿が見える」ともいわれています。
お土産もランチも!十国峠ケーブルカーレストハウス
十国峠ケーブルカーの登り口にあるレストハウス。お土産や食事処はケーブルカーを利用する観光客はもちろん、ドライブの休憩としても利用する人が多いです。
土産物売り場
売店は伊豆・熱海・箱根のお土産をはじめ、十国峠限定品などバラエティ豊かなラインナップを取り揃えています。
ほっと安心できる味が自慢のお食事処。
自家製のそばつゆを使用したそば・うどんやボリューム満点の定食などのメニューが揃っています。
テイクアウトできる軽食
売店では、熱海の食べ歩き名物で知られる「まる天」や、三島名物「三島コロッケ」、ソフトクリーム、富士宮やきそばなどがテイクアウトできます。SNS映えで話題の「金箔ソフト」や沼津の井田塩アイスなどのスイーツも大人気!
十国峠へのアクセス
クルマの場合
東名高速道路「御殿場」ICー乙女峠、箱根湖尻経由で約1時間
東名高速道路「沼津」ICー伊豆縦貫自動車道ー国道1号線ー箱根峠経由で約45分
駐車場320台/無料
公共交通機関の場合
JR「熱海」駅から伊豆箱根バス「十国峠登り口行」または「元箱根行」乗車ー「十国峠登り口」バス停下車、徒歩すぐ
十国峠を歩いて登る場合
JR「湯河原」駅から日金山 東光寺まで続く「石仏の道ハイキングコース」を経由して、十国峠まで歩いて登ることもできます。
所要時間は約2時間45分(約10.5km)。ややアップダウンがあるのものの、道は整備されているため比較的登りやすい山です。
200年以上前、名主・今井半太夫が亡くなった子息の菩提を弔うために石仏を寄進し、熱海に縁のあった人々が熱海から日金山東光寺まで1丁ごとに地蔵を寄進しました。「石仏の道」は1体ごとに異なる表情の仏様に見守られながら、熱海の山の魅力をのんびり楽しめるハイキングコースです。
新しくなった十国峠を遊び尽くそう!
リニューアルオープンで、山頂の絶景をさらに満喫できるスポットとして生まれ変わった十国峠。これからの季節、空気が澄んで一段と美しい景色を見渡すことができますよ。家族や友人、恋人とジオサイト巡りをしてみるのもいいですね!
他のジオサイトにも遊びに行こう!