恵比須島ってどんなところ?
今回の主役は、上の写真のような絶景がみられる「恵比須島(えびすじま)」。 伊豆半島のほぼ南端、須崎半島(下田市)の先端にぽっかり浮かんでいる無人島です。
アクセスは下田市内から車で15分ほど。バスも通っており、公共交通機関でのアクセスも可能です。
恵比須島は海水浴&シュノーケリングの穴場
撮影日は2019年8月の上旬、海水浴シーズン真っただ中! テントが張られているのは恵比須島の対岸です。
しかも海の透明度もご覧の通り、スケスケ! 深さがあるので、シュノーケリングスポットとしても人気。なお、監視員やライフセーバーは配備されていません。
こちらは島の裏側。潮が引いているときは、天然プールになっています。※潮が満ちてくると、外海の波が押し寄せてくるので危険が伴います。十分注意してください。
橋を渡り、いざ上陸
恵比須島へは、陸地から橋を渡って上陸します。島を一周する遊歩道が整備されており、左右どちらからでもOK。今回は右手へ。
写真のように、舗装された平坦な道が続きます。ちょうど干潮時だったので問題なく歩けましたが、潮が満ちてくると波が歩道にかかる場合もあるようです。
ビューポイント① 太古の地層
まず目に飛び込んできたのは、そそり立つ白い壁。これは砂の地層です。
火山から噴出された火山灰や軽石が海底に降り積もったり、海流に運ばれたりして形成された地層。かつて海の底に沈んでいたものが目の前にある……なんだか海のロマンというか、大自然の営みを改めて感じます。
ビューポイント② 磯遊びに最適な千畳敷!
海側は、磯場が広がっています。カニやフナムシたちの姿がみられ、海の生き物観察に最適。
少し進むと、珍しい平坦な磯が現れます。これは波によって削られた浅瀬が隆起し、海上面に現れたもの。千畳敷(せんじょうじき)と呼ばれています。
そんな千畳敷を散策していると、所々に四角いくぼみを発見! これは伊豆石(いずいし)の採掘跡です。
伊豆石は先ほどの白い地層と同じ、火山灰と軽石で形成されたもの。加工しやすいうえに耐火性にも優れており、下田市街をはじめ街づくりに活用されました。
遊歩道に戻り、先に進みましょう。
島の裏側に出てきました。奥は沖です。釣り人もいました。
ふと横をみると、角ばった岩が混在するゴツゴツ地層が……! かつて海底を流れた土石流のようです。
こんな風に異なる景観が楽しめるのも、恵比須島ならではの魅力といえます。サンダルだとかなり歩きづらいので、スニーカーなど履きなれた靴がおすすめ。
ビューポイント③ ジオパークの象徴
冒頭で紹介した絶景にたどり着きました。
みてください、この縞模様の地層! かつてこの地層が海底にあったとき、波や海流に削られた跡なんです。自然がつくりだした芸術、とはまさにこの事。
ジオパークのポスターにも採用されてたりと、伊豆半島の成り立ちを語るうえ欠かせない景観であります。
島の裏側は、土石流のゴツゴツ地層が続いています。落石の危険もあるため、充分注意してください。
また周囲を岩が囲んでいるため、天然プールが複数個所あります。※潮が満ちてくると外海の波が押し寄せてくるので、危険が伴います。十分注意してください。
岩場には大量のフナ虫が……。
再び白い地層に戻ります。
たまに大きなフナムシが単独行動しています。
戻ってきました! じっくり歩いても20分くらいで、島一周できます。
対岸側には駐車場があるほか、トイレや自動販売機も設置されています。
アクセスなどの基本情報
【所在地】
静岡県下田市須崎
【アクセス】
<電車・バス>
伊豆急行「下田駅」からバスで約12分、終点の「須崎海岸」で下車、徒歩で約10分ほどで辿り着きます。
<車>
国道135号から下田方面へ向かい、途中で県道116号の須崎方面へ曲がります。
【駐車場】
有り(少数台、橋の手前にあります)
■下田市内で温泉を楽しめる!
下田ロープウェイ以外にも、市内には観光名所がたくさんあります! また市内には蓮台寺温泉・河内温泉・白浜温泉などがあるほか、また引湯が発達しているため、市街地のホテルや旅館でも温泉を楽しむことができます。
ぜひチェックしてみてくださいね!
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海底火山の名残がある恵比須島
いかがでしたか? 橋で渡れる無人島「恵比須島」をレポートしました。
島の頂上には「恵比須神社」が鎮座しており、その周辺で古墳時代~奈良時代の祭祀用の土器などが多数発見されました。
祭祀遺物が発見された土層からは焚き火の跡が確認でき、古代人が海の神に祈りをささげる儀式を行っていたのでないか?と考えられています。