天城湯ヶ島温泉の「湯道」って?
井上靖の小説『しろばんば』の舞台であり、川端康成をはじめ多くの文人墨客が訪れた「天城湯ヶ島温泉」。
伊豆半島のほぼ中央、石川さゆりの『天城越え』で有名な天城山中にあります。
そこには、かつて文人や里人が共同浴場へ通う際に通った散歩道「湯道(ゆみち)」があります。
道中には、川端康成や与謝野晶子など文人、歌人の歌碑が点在し、川のせせらぎや森の香りを感じながら散策ができる場所です。
湯道の特徴
・天城湯ヶ島温泉内の旅館・ホテルの近く(徒歩圏内)
・メインの道は、30~40分ほどで周遊できる
・舗装されているため歩きやすい
・急階段、急坂はない
・自然に囲まれた遊歩道
この記事では、実際に歩いた「湯道」の様子や、筆者が感じた魅力などを紹介します。
多くの文人たちが愛した「天城湯ヶ島温泉」に泊まろう!
天城山中にある静かな温泉地は、日常の喧騒から逃れられる、リフレッシュに最適な場所。その環境は、川端康成をはじめ多くの文人を魅了してきました。
温泉地の周辺には、伊豆随一の名瀑「浄蓮の滝」、『伊豆の踊子』を象徴する「天城山隧道(通称:旧天城トンネル)」などがあり、観光もしっかり楽しめます。ぜひ温泉宿に1泊して、天城湯ヶ島を満喫してはいかが?
「湯道」を歩いてみた
写真上は、湯道の全体マップです。赤い点々で示されているのが湯道になります。
今回散策したのは、見どころのメイン「出会い橋」がある青丸で囲んだ部分になります。
ここを周遊するだけなら、所要時間は30~40分ほど。青い★印は、最寄りのバス停「湯ヶ島温泉入口」です。
今回のスタート地点は、赤い★印がある温泉宿「白壁」から。近くには「湯本館」や「アルカナイズ」といった宿泊施設があります。
道標に沿って進むと、何やら思わせぶりな建造物を発見。説明板によると「木漏れ陽の湯」と呼ばれる飲泉場でした。
残念ながらこの日は温泉が出ておらず、飲むことができませんでした。
アスファルトで舗装された道を進んでいきます。
湯道の入口
湯道の入口に到着。道幅は大人1人が歩けるくらいで、脇には水路が通っています。一本道なので、そのまま歩いていきます。
湯道から見下ろせる狩野川。森の中を歩いているようで、鬱蒼とした木々に囲まれています。夏でも涼しく散策できそうです。
閉業している旅館の真下をくぐるという、ちょっぴり珍しい体験をします。
少し進むと道が二手に分かれていますが、写真左側の細い道を進みます。
しばらく進むと景色が開け、車道沿いに出てきます。写真手前にみえる「出会い橋」の道標に従って進みましょう!
出会橋(男橋)
ほどなくして、黄色い手すりが目を引く橋が現れました。「男橋」です。
男橋から見た狩野川の景色。川の上にかかる渡り廊下のような建物が見えますね。地図をみると、「眠雲閣 落合」という元旅館の一部のようです。
こちらは本谷川側の景色です。
出会橋(女橋)
男橋を渡ったすぐ先には「女橋」があります。
「男橋」と「女橋」がある場所は、本谷川と猫越川(ねっこがわ)が合流し、狩野川となります。
2つの川が落ち合う場所ということから、「男橋」と「女橋」を合わせて「出会い橋」と名付けられたようです。
橋の下を流れる狩野川。水は透き通っており、川底までくっきり見えます。
出会い橋では、例年6月にはゲンジボタルが飛び交う光景を見られるそうです。「天城ほたる祭り」が開催されます。
女橋から見た猫越川の景色。左側にある建物は、「水のみち・風のみち 湯ヶ島 たつた」という旅館です。
伊豆で唯一、川床で食事を楽しめる宿なんだそう。
こちらは狩野川方面。男橋からも見えた渡り廊下と、配線のようなものがかかっています。
ここで湯道散策は終わりです!
共同浴場「河鹿の場」
スタート地点の「白壁」のすぐ近くに、古くから利用され続けている共同浴場「河鹿の場」があります。営業時間が13時からなので、注意してください!
【泉質】カルシウム、ナトリウム硫酸塩泉
【効能】神経痛、リウマチなど
所在地:
静岡県伊豆市湯ヶ島1650-3
営業時間:
13:00~16:00
定休日:
水曜日
料金:
大人350円、小人150円
アクセス:
伊豆箱根鉄道駿豆線「修善寺駅」より東海バス「昭和の森会館行き」「湯ヶ島温泉行き」「河津駅行」のいずれかに乗車(約29分)-「湯ヶ島温泉口」下車-徒歩約5分
駐車場:
5台、無料
問合せ:
0558-85-1056(伊豆市観光協会天城支部)
湯ヶ島温泉「湯道」へのアクセス
公共交通の場合
伊豆箱根鉄道駿豆線「修善寺駅」より東海バス「昭和の森会館行き」「湯ヶ島温泉行き」「河津駅行」のいずれかに乗車(約29分)-「湯ヶ島温泉口」下車-徒歩すぐ
クルマの場合
東名道「沼津」IC-伊豆縦貫道「月ヶ瀬」IC-一般道(約45分)
湯道無料駐車場
45台分の駐車スペースがあります。
湯道を歩き、文人に想いを馳せる
川端康成、井上靖、梶井基次郎、島崎藤村など、多くの文人を魅了した天城湯ヶ島温泉。宿泊した翌朝、少し早起きして彼らが歩いたかもしれない「湯道」を散策してみませんか?
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