「伊豆の七不思議」のひとつを見に行こう!
「伊豆の七不思議」をご存知ですか?
伊豆半島に伝わる七つの不思議な物語のことで、今回紹介する大瀬崎(おせざき)もそのうちのひとつです。
岬先端にある「池」が七不思議
大瀬崎は岬なので、当然写真(上)のように周りは海に囲まれています。
しかしGoogleマップで大瀬崎を見てみると……
岬先端に注目してみてください。あれ……? 穴が空いている!
この穴の正体は「神池」と呼ばれる池なのですが、なんと淡水なのです。
海からこんなに距離が近いのに、海水ではなく淡水。これが七不思議のひとつとされている理由です。
今回はそんな神池を見るべく、静岡県沼津市にある大瀬岬へ行ってきました。
1泊して沼津市を観光しよう!
海水浴、ダイビングの聖地でもある大瀬崎。周辺には民宿や旅館が点在しています。
新鮮な地魚をつかった舟盛など、地元近海駿河湾でとれた海の幸をふんだんに使った食事が自慢。温泉施設を備えた宿もあります。
ぜひチェックしてみてくださいね!
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神池の前に…まずは大瀬神社を参拝
大瀬海水浴場の近くにある有料駐車場に停めて、岬に向かって歩いていきます。道中には環境省が選定している「快水浴場百選」の大瀬海水浴場があるほか、ダイビングスポットとしても人気のため民宿やダイビングショップが軒を連ねていました。
そこを通り過ぎていくと、白い鳥居がみえてきます。駐車場からここまで約10分くらい。鳥居から先は大瀬神社の境内となっており、その中に「神池」があります。
神社と神池に入るには、拝観料を100円納めます。料金所は無人でした。写真右端に見えるプラスチックケースに入れられたモナカは、神池に泳ぐ鯉にやる餌のようです。
まずは大瀬神社の参拝に向かいます!
天狗の葉団扇(はうちわ)を模したオブジェを発見。
拝殿へ続く階段です。大瀬神社の御祭神は大瀬明神=引手力命(ヒキテ力ノミコト)と呼ばれる、海の神様が祀られています。
よく見てみると、鳥居のそばには鉄の下駄が。
拝殿に着きました。写真ではわかりづらいですが、上の方に天狗のレリーフが彫られています。
ここまでの置物をみると、大瀬神社は天狗と関わりのある神社なのかもしれませんね。
拝殿の右側には、漁師たちが収めた赤いフンドシがかかっています。古から続く風習で、海上の安全を願ってのことだそう。
ちなみに大瀬神社にまつわる風習に、毎年4月4日に「大瀬まつり」があります。
毎年4月4日に行われる大瀬神社の例祭「大瀬まつり」。
大漁と航海安全を祈願するため、華やかに装飾された漁船が各地区から大瀬神社に向け出航します。
派手な化粧と長襦袢で女装した男達が船上で繰り広げる「勇み踊り」は必見!(出典:沼津観光ポータル)
飾り立てた船上で、女装した青年たちが踊る奇祭として知られているよう。これは一度見てみたいものです!
境内を囲む、神秘的なビャクシン樹林
境内は写真のようなクネクネとねじれた巨木に囲まれており、幽玄な景観を作りだしています。これはビャクシンというヒノキ科の常緑高木樹で、1932年(昭和7)に「大瀬崎のビャクシン樹林」として国の天然記念物に指定されています。
およそ百数十本ほどのビャクシンが、大瀬崎全体を覆うように樹林を形成しています。境内にある看板によると、すべてのビャクシン樹林が大瀬神社のご神木なんだそう。
大瀬岬で最大の大木は、推定樹齢1,500年以上とされている「夫婦ビャクシン」。周囲は7mあるようです。
御神木の中でも特別な存在であり、大瀬神社の分霊が祀られています。
ビャクシンの根本には、ハード型の石が! 特別ないわれはないようですが、なにか秘めたるパワーをもっているような気がします。
こんなものもありました。大瀬崎を訪れた与謝野晶子の夫、与謝野鉄幹の歌碑です。この景観に感動して詠んだ歌だそう。
近くには真っ白な大瀬埼灯台(おせざきとうだい)が立っています。目の前には真っ青な駿河湾……ロケーションも最高です!
天気がいい日には、名峰富士山も拝めるようです。たしかに歌を詠みたくなりそうですね。
いよいよ神池とご対面
寄り道しまくりでしたが、いよいよ目当ての神池へ向かいます。境内にあるのですぐ近くです。
はい、着きました。文字がかすれて読みにくいですが「神池」と書かれています。一見なんの変哲もない池のように見えますが、もっとも近いところだと海との距離はわずか15m。
標高も約1~2mほどしかなく、天候によっては海水が神池に流れ込んでくる可能性もありえそうですが……”淡水池”です。
その証拠に、コイやフナといった淡水魚が悠々と泳いでいました(ナマズもいるようです)。
これほど海との距離が近いのに淡水なのか? 「富士山からの伏流水が湧き出ている」という説があるようですが、いまだ解明されていないため「伊豆の七不思議」に数えられています。
アクセスなどの基本情報
アクセス:JR「沼津」駅南口より直通バス「大瀬岬」下車
※1日2往復しか運航していないので要注意
※夏季のみ沼津港より定期船の運行あり
駐車場:あり(有料)
ミステリアスなスポット「大瀬崎」へ行ってみよう!
今回は神池目的で大瀬崎へ赴きましたが、ビャクシン樹林が生み出す独特な景観にも目を奪われました。
アクセスが不便なのも、ちょっとした秘境気分を味わえていいかもしれませんね! 伊豆観光のひとつにぜひ「大瀬崎」を加えてください。
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