つるし雛とは
つるし雛とは江戸時代から続く、伝統的な風習の一つ。長女の初節句に健康や良縁を祈り、猿・桃などの形を模した人形を、ひな段の周りに飾り付けます。
縁起物であるため、飾りの数は3、5、9などの奇数で構成され、割り切れる数字は避けらています。
つるし雛と稲取温泉
つるし雛は主に、3つの地域を中心に親しまれている文化です。福岡県柳川の「さげもん」、山形県の「傘福」。そして、伊豆稲取の「雛のつるし飾り」です。
これらを総称し、「全国三大吊るし飾り」と呼ばれています。
雛のつるし飾りの発祥は稲取
雛のつるし飾りの文化は稲取から始まり、その後各地に広まったと言われています。稲取における「つるし雛」の歴史は古く、江戸時代後期にまで遡ります。当時、ひな人形は高級品のため庶民には手の出せないものでした。そこで高価なひな人形の代わりに、「手作りで子供や孫の節句を祝ってあげよう!」。そんなやさしい想いから生まれたのです。
雛のつるし飾りまつり
伊豆稲取では、「雛のつるし飾りまつり」というイベントを開催しています。毎年、稲取文化公園「雛の館」では、200以上のつるし飾りが展示され、20周年を迎えた現在も、多くの来場者で賑わっています。
詳しくは稲取温泉旅館協同組合公式サイトをチェック
つるし雛の意味
つるし雛には110を超える種類があると言われ、それぞれの形に意味を持たせています。ここでは代表的なものをいくつか紹介いたします。(※種類や意味は地域などによって、異なることがあります。)
■猿っこ
猿は災いや厄、病が去る(猿)ように、という意味が込められています。
■金魚
一度で多くの卵を産む金魚。健康な赤ん坊がたくさん埋めれるように、と願いが込められています。
■這い子人形
ハイハイしている赤ちゃん。丈夫で元気に育ってほしい、そんな子供を思う親の心が表れた人形です。
つるし雛の作り方とは?
「自分で作ってみたい!」そんな風に思われた方は、ぜひ稲取へお越しになってください。「つるし飾り体験工房絹の会」では、つるし雛制作を実際に体験することができます。コースは初級者~上級者まで分かれていますので、初めての方でも安心です。気になる方は是非、公式ホームページをチェックしてください。
■つるし飾り体験工房絹の会
〒413-0411
静岡県賀茂郡東伊豆町稲取429
TEL:0557-95-0722
営業時間: 9:30~18:00
※火曜日定休
つるし雛制作体験の予約や詳しい情報はこちら
つるし雛が私たちに教えてくれること
わが子を想う愛情から生まれた、伊豆稲取のつるし雛。江戸時代から続くこの文化は、めまぐるしく変化する現代において「変わらないもの」があると、私たちに教えてくれます。どんな時代になっても、「子ども達の幸せな未来を祈る心」を大切にしたいものです。
▼伊豆稲取周辺の観光スポットはこちら▼