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【箱根旧街道ハイキングコース】箱根~三島宿の「西坂」を歩く・前編

2021/07/20 更新

箱根旧街道(箱根八里)は、江戸時代に整備された東海道の一部で、小田原宿~三島宿を結ぶ八里の街道。今回編集部が歩いたのは、中間地点である箱根宿から三島宿までの四里、「西坂」と呼ばれる旧街道です。この記事は、箱根関所跡~三山中城跡までの前編になります。

「箱根旧街道(箱根八里)」とは?

箱根旧街道

「箱根旧街道(箱根八里)」は、徳川家康の命により江戸時代に整備された東海道の一部です。

 

標高25mの「三島宿」から標高846mの箱根峠を登り、標高10mの小田原まで下る八里(約32km)の坂道。

箱根越えの道、ということから「箱根八里」とも呼ばれています。

 

東海道とは?

江戸幕府を開いた徳川家康は、慶長6年(1601)に伝馬(てんま)制度をつくり、江戸~京都の間に53の宿駅を設けました。

東海道の距離は約500km。江戸時代の人々は、2週間ほどかけて旅をしたといわれてます。

箱根八里は、東海道「第一」の難所!

箱根旧街道 杉並木

箱ね旧街道(箱根八里)は、名称にある通り約32kmあります(1里=4km)。

小田原宿~箱根峠までの四里を「東坂」、箱根峠~三島宿まで四里「西坂」と呼び、あわせて八里の道のりです。

 

箱根八里は「箱根の山は天下の剣」と歌われるほど、東海道第一の難所とされていました。

標高25m→846m→10mという標高差もさることながら、雨が降ると足の脛(すね)まで泥につかるような悪路だったようです。

 

江戸時代初期の延宝8年(1680)、幕府はお金をかけて石敷きの道に整備し、現在知られる“箱根の石畳”となりました。

箱根峠~三島(西坂)までを歩きました!

箱根八里 案内板

この記事では、箱根旧街道の「西坂」をご紹介。

スタート地点は「箱根関所」、ゴールは三島宿があったとされる「三嶋大社」。

 

実際に四里(約16km)を歩いてきました!

箱根関所跡~箱根旧街道入口

小田原駅から、箱根関所跡バス停へ

箱根関所 バス

まずは小田原駅まで電車で行き、そこから箱根登山バスに乗車、「箱根関所跡」で下車します。乗車時間およそ51分。

箱根 道路

沼津方面へ、国道1号線沿いを歩きます。写真右側は芦ノ湖です。

芦ノ湖

芦ノ湖と遊覧船

▲芦ノ湖遊覧船と富士山

歩道から芦ノ湖の沿岸へ。停泊している遊覧船と富士山のツーショットが撮れました!

箱根 白浜 標識

湖岸から住宅街に入ると、写真上の標識が立ってるので、「白浜」方面へ進みます。

箱根駒形神社 案内板

ほどなく「駒形神社」の案内看板を発見。箱根旧街道入口はこの先です。

箱根駒形神社

箱根駒形神社

▲箱根神社の社外の末社

写真は駒形神社の境内。箱根宿の鎮守として信仰を集めていました。創立は不明ですが、かなり古いそうです。

箱根旧街道 西坂 入口

駒形神社でお参りした後、その先にある箱根旧街道入口へ向かいます。

箱根旧街道の入口~箱根峠

箱根八里 入り口

こちらが入口。箱根峠までおよそ400mの急坂が続きます。箱根峠の手前なので、ここは東坂になります。

芦川石仏群

入口に立つ仏像は、芦川石仏群と呼ばれており、もともと駒形神社の境内にあったものを、当時の地元民により移されたそうです。

向坂

箱根八里 向坂

東坂の終盤「向坂(むこうさか)」からスタート。ここから峠まで、「赤石坂」「釜石坂」「風越坂」と上り坂が続きます。

箱根旧街道 石畳

江戸時代に敷かれた石畳。当時の面影を今に伝える貴重なもので、昭和35年に国史跡に指定されました。

箱根八里 向坂

急坂の両側には杉並木が続いていますが、これも江戸時代の街道整備時に植えられたみたいです。

箱根八里 赤石坂

少し上ると「赤石坂(あかいしさか)」へ。

国道1号線 橋の下

国道1号線の下を通ります。宙に舞う白い物体は、小さな羽虫です。

箱根八里 石畳

木陰のおかげで、夏日(22°近く)でも歩きやすい!

釜石坂

比較的なだらかな赤石坂が終わると、「釜石坂(かまいしさか)」へ入ります。

釜石坂 笹の葉

道幅が細くなり、両脇から笹の葉が押し寄せるように伸びています。

風越坂と挟石坂

釜石坂 笹の葉トンネル

釜石坂を過ぎると、次は「風越坂(かざこしさか)」に入ります。

こここからは、やや急登な道に。写真だと分かりづらいですが、ひたすら上り道です。

箱根八里 階段

はじめて階段が現れました。これがかなり急で……

風越坂

階段を上から見下ろした写真です。ここは「挟石坂(はさみいしさか)」といい、箱根峠にかかる坂です。

 

案内板によると、当時の浮世絵で描かれた挟石坂は、伊豆の国を分ける標柱とゴロゴロ転がる石、辺り一面のカヤしか描かれておらず、かなり荒涼とした道だったようです。

箱根峠~接待茶屋

箱根旧街道 標識

挟石坂を上りきると、国道1号線に出ます。

相模の国(神奈川県)と伊豆の国(静岡県)を分ける、箱根峠に到着です!

 

街道を背に右側(写真上)を進むと、「道の駅 箱根峠」があります。トイレ休憩がてら、ぜひ立ち寄ってみてください。

箱根峠 道の駅
箱根峠からみる芦ノ湖
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▲左右にスライドすると、画像が表示されます。

箱根峠 国道1号線

箱根旧街道は、道の駅と反対方向へ進みます。道路を渡り、沼津・三島方面へ。

国道1号線は車通りも多いため、渡る際はくれぐれもご注意ください!

箱根峠 ゴルフ場

路側帯を歩いていくと、「箱根くらかけゴルフ場」の看板がみえてくるので、その道を進みます。

箱根くらかけゴルフ場 分岐点

しばらく上ると分岐点に出ます。「箱根新道」と書かれた標識があるので、赤い矢印通りに右折します。

箱根 国道1号線 交差点

道を下ると、国道1号線の交差点に出ます。2つある横断歩道を渡りましょう。

三島市と箱根町の境界

▲ゴールの三嶋大社まで約15.7km

1つ目の横断歩道を渡ったところに、伊豆半島を示す看板があります。箱根町、三島市、函南町の境目のようです。

箱根八里「西坂」入口

箱根旧街道 門

関所風の門が現れました!

この箱根峠を境に、三島側四里が「西坂」、小田原川四里が「東坂」となります。

西坂のスタートはここからです。

西坂だけ歩きたい!

三島駅より東海バス「元箱根港行」に乗車し(約37分)、「芦ノ湖カントリー入口」で下車するのも手。

箱根八里 西坂 石畳

舗装された道を進んでいくと…

箱根八里記念碑

▲黒柳徹子さんの石碑もある

比較的新しい石塔群がありました。

「箱根八里記念碑(峠の地蔵)」と呼ばれ、江戸時代に東海道を旅する人の目安となった「※一里塚」を模したものです。

 

箱根八里から合計8つあり、著名な女性8人の名前と言葉が刻まれています。

※一里塚……江戸幕府、徳川家康の命により設置された、街道の目印。

一里(約4km)ごとに直径約10mの塚(土盛り)を築き、その上に榎(えのき)や松の木を植えたそうです。

茨ケ平の石畳、甲石坂は通行止めでした

箱根峠 峠茶屋

「峠茶屋」に到着。近くに公衆トイレもあります。

 

すぐ近くに、箱根旧街道の一部「茨ケ平(いばらがひら)の石畳」、「甲石坂(かぶといしさか)」に続く入口がありますが、2019年から通行止めとなっています。

箱根旧街道 通行止め

▲2021年4月28日時点でも通行止め

箱根旧街道石畳 一部通行止めについて(迂回のご案内)

残念ですが、国道1号線を歩いて迂回します。

箱根峠 国道1号線

▲西坂だけ歩くなら、三島駅からここまでバス利用するのもあり

舗装された歩道を、ひたすら下っていきます。日差しがまぶしい!

箱根旧街道 塞がれた出口

しばらく下ると、通行止めになっている箱根旧街道の出入口がありました。

写真のように、土嚢でガッチリ封鎖されています。

接待茶屋(バス停)

東海道 接待茶屋

さらに下り坂を進むと、ようやく「接待茶屋」のバス停がみえました。

箱根旧街道は、バス停を通り過ぎた先にあります。

昔の接待茶屋

接待茶屋のはじまりは江戸時代中期。

「箱根山金剛院別当(はこねさん こんごういん べっとう)」が、箱根山を往来する人のために、食事、馬、焚火に必要な材料などを、無償で提供していたと伝えられています。

 

明治維新で一時は中断したものの、最終的には昭和4年(1970)まで続き、箱根を往来する人馬を支えていました。

接待茶屋~山中城跡

箱根旧街道 接待茶屋

再び旧箱根旧街道へ。入口付近は砂利道が敷かれていますが、すぐ土の道になります。

箱根八里 西坂

足元をみると、標識を発見。「山中一里塚」は、旧街道の入口にあります。

箱根旧街道 辻導

ここから先は、写真上の道標の石柱がみられ、各所までの距離が記されています。

接待茶屋から三島宿までは二里二十一町、およそ10.1kmとまだ先は長いです。

箱根街道 石柱

箱根旧街道の石柱がありました。

箱根旧街道 かぶと岩
箱根旧街道 天皇休息処
徳川家将軍 石碑 箱根旧街道
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街道入口付近には、小田原征伐の休息した際に、兜をこの石の上に置いたとされる「かぶと石(かぶと岩)」。中央部だけ空洞のある奇石、「明治天皇御少休跡」の石碑、「※徳川有徳(ゆうとく)公遺蹟(いせき)碑」がみられます。

※徳川有徳……徳川家8代将軍・徳川吉宗公のこと。

箱根旧街道 分岐点
少し歩くと分岐点にあたります。「施行平・三島市眺望地点」まで3分とかからないので、ぜひお立ち寄りを。

施行平・三島市眺望地点

箱根旧街道 林道
木漏れ日が降り注ぐ林道を進みむと、突然パッと視界が開け、緑の原っぱに出ます。
箱根旧街道からみる三島市街地
こちらは三島市街地。写真だとうっすらですが、駿河湾ものぞめます。
箱根旧街道 富士山

そして富士山!

箱根旧街道 木漏れ日の道

分岐点へ戻り、標識に従って「山中城址・三島宿」方面へ進みます。

石原坂

箱根旧街道 石畳

土の道から石畳へ。写真だと平坦にみえますが、なが~い下り坂です。

箱根旧街道 念仏岩

下りの途中にあった念仏岩。

箱根旧街道 念仏岩

「南無阿弥陀仏・宗閑寺」と刻まれています。

旅の行き倒れた人を宗閑寺で供養し、この碑を建立したものだそうです。

 

いまでは安全が第一前提の旅行も、昔は命がけだったんですね……。

箱根旧街道かや

波のように押し寄せてくる篠竹(しのだけ)。人の背丈よりあります。

箱根旧街道 下り坂

傾斜はゆるやかですが、石畳は滑りやすいので慎重に下っていきます。

前日雨だったわけでもなく、当日もカラッとした晴天ですが、何回か足を滑らせました。

箱根旧街道 開けた道三島市 国道1号線

国道1号線がみえます。

箱根旧街道 分岐点

道なりに進むと、再び分岐点に。赤い矢印の方を進みます。

写真だと分かりづらいですが、分岐点には必ず標識が立っているのでご安心ください!

大枯木坂

分岐点 標識石畳 箱根旧街道

石畳の両脇に、整然と並ぶ杉並木。

箱根旧街道 小径

杉並木を抜けました!

箱根旧街道 一般道

そのまま下ると……

箱根旧街道 民家

民家の庭に出てきます。街道沿いに植えられた花々が、まるで歓迎してくれるようですね!

 

赤丸で囲んだところに、道しるべの標識が立っています。

箱根旧街道 一般道 分岐点

赤矢印の方へ進み、国道1号線の横断歩道を渡ります。

歩道 箱根旧街道 道しるべ

横断歩道を渡った先にある標識です。そのまま国道1号線を沿うように、歩道を下ります。

箱根峠 国道 歩道

歩道は整備されており、かなり歩きやすいです。東海バスの停留所「農場前」を通りすぎると、旧街道はすぐです。

願合寺地区の石畳

箱根八里 標識

入口には標識が必ず立っています。

箱根旧街道 階段

階段を下り、再び箱根旧街道へ。

箱根旧街道 願合寺区

「願合寺地区(がんごうじ)の石畳」と呼ばれています。

箱根旧街道 願合寺区 石畳

こちらの石畳は、昭和~平成にかけて復元・整備されたものです。

箱根旧街道 願合寺区 石畳 

平らな石畳の道が続きます。

箱根旧街道 願合寺区 石畳 

しばらく歩くと一般道路が現れ、石畳の道は途切れます。

雲助徳利の墓

願合寺地区の石畳の終点にある「雲助徳利の墓(くもすけとっくり)」。

雲助とは江戸時代に街道や宿場で、人や荷物の運搬をしていた人のこと。

 

この墓の雲助は、悪さを働く仲間を取り締まる一方で、困っている仲間を助け、街道筋の百姓たちから厚い信頼を寄せられていた人物だったそうです。

国道1号線 山中新田

お墓を通り過ぎると、歩道橋がみえてきました。

三島市 歩道橋

木を中心に螺旋を描く階段。こんな歩道橋、みたことありません!

山中城跡

山中城跡 石碑

歩道橋で向かい側の道路に渡ると、「山中城址(やまなかじょうし)」の入口を発見!

山中城は、戦国時代に関東一帯を支配していた後北条氏が築いた山城です。東海道から外れますが、立ち寄ってみることにしました。

 

箱根関所跡に到着したのは、朝の9時。山中城址に着いたのは12時手前なので、およそ3時間で到着。

箱根八里(西坂)の前半はここまで。後半は下記をご覧ください!

▲Googleマップだと、国道沿いを歩くルートになっています。

 

<前半のランドマーク>

箱根関所(バス停)

箱根駒形神社

向坂、赤石坂、釜石坂、風越坂

↓(寄り道「道の駅 箱根峠」)

峠茶屋(箱根エコパーキング)

接待茶屋バス停(国道1号線)

山中一里塚

願合寺地区(がんごうじ)の石畳

山中城址後・山中城跡案内所

箱根旧街道 願合寺区
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IZU HACK編集部

IZU HACK運営&記事編集担当。伊豆の海、B級スポット、秘境、神社・パワースポット巡りに明け暮れる。現地レポートを中心に読者の皆様にわかりやすく、ためになるような記事製作を心掛けています。

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